第3限目 レーダー・ハンター れー太ー君 〜雨雲の規模に応じてレーダーを使い分ける。今日は、どーレーダー?〜
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気象レーダー・リンク集 〜使いやすいレーダーはどーレーダー?〜 【使い方】基本的には大きなエリアから順に見ていく。 | |||||||
運用団体 | 周波帯 | 目的 | サイト@ | サイトA | 降水観測範囲(定量) | 観測間隔 | 平面的分解能 |
気象庁 | Cバンド | 気象情報 | レーダー・ナウキャスト | 解析雨量 | 半径400km(120km) | 5分間隔 | 1kmメッシュ(画像は粗いが広域監視に対応) |
国土交通省 | Cバンド | 河川管理 | 川の防災情報 | 防災情報提供センター | 半径200〜300km(120km) | 5分間隔 | 1kmメッシュ(画像は粗いが広域監視に対応) |
東京都下水道局 | Xバンド | 下水道管理 | 東京アメッシュ | 半径80km(50km) | 5分間隔 | 250mメッシュ(半径0-20km),500mメッシュ(半径20-50km) | |
埼玉県流域下水道局 | Xバンド | 下水道管理 | アメネットさいたま | 半径80km(50km) | 5分間隔 | 250mメッシュ(半径0-20km),500mメッシュ(半径20-50km) | |
国土交通省 | XバンドMP | 集中豪雨監視 | レーダー雨量情報 | 半径80km(60km) | 1分間隔 | 250mメッシュ | |
東京電力 | 雷雨監視 | 雨量・雷観測情報 |
富士山レーダー:気象庁 | |||
【2.8GHz帯レーダ(Sバンドレーダ)】
この周波数帯は降水による電波の減衰が少なく観測距離も長いです。日本では、富士山レーダーで日本の南海上から忍び寄る台風の観測を行うことになりました。2.8GHz帯レーダ(Sバンドレーダ)が用いられ、その観測範囲は800kmに及んでいました。現在は、気象衛星により台風等の広域観測を行っているため、この周波数帯での気象観測は行っていません。 なお、富士山レーダーは気象庁が1964年に富士山頂に設置し、1999年11月1日に運用を終了しました。代替レーダーが静岡県の牧之原台地(牧之原気象レーダー観測所)と長野県の車山(車山気象レーダー観測所)の2カ所に設置されています。 その後は、2001年9月に富士吉田市に移設され、富士吉田市立富士山レーダードーム館の看板として第二の人生を送っています。 |
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富士山レーダードーム館(リンク先) |
気象レーダー:気象庁 | |||||
【5.3GHz帯レーダー(Cバンドレーダー)】
富士山レーダーよりは降水観測範囲は狭いですが、広域の雨雲の動きを判断することに活用できます。 日本では気象庁の「気象レーダー」や国土交通省河川局・道路局の「レーダ雨量計」が設置するレーダーに用いられています。近年、気象庁では突風を監視するために、順次、「気象ドップラーレーダー」に切り換えています。 ドップラーレーダーは、成田空港や羽田空港でも導入されています。空港では離発着時の旅客機に影響を与える突風などの観測のために使用されています。ドップラーレーダーによって、この突風などを可視化することにより、空港の安全を見守っているのです。 |
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秋田レーダー(気象庁) | 仙台レーダー(気象庁) | 東京レーダー(気象庁) | 長野レーダー(気象庁) | ||
静岡レーダー(気象庁) | 名古屋レーダー (気象庁) | 室戸レーダー (気象庁) | 空港レーダー(成田航空地方気象台) | ||
東京アメッシュ(都市の効率的な水再生に対処):東京下水道局 | |||||
【9.5GHz帯レーダー(Xバンドレーダー)】
東京都下水道局は、地球温暖化の影響による豪雨頻度の増加や都市化の影響などで、ほんとんどの雨量が流れ込む下水道の維持管理の効率化が必要になりました。レーダーや雨量計の設置を行って得た降雨情報を雨水ポンプ等の運転等に活用しています。
1988年に「東京アメッシュ500」導入(局独自レーダー2基【港、稲城】)、2007年には「東京アメッシュ」広域化【近隣自治体5基(東京都、埼玉県、横浜市、川崎市)+気象レーダー、地上雨量計150台共有(レーダー観測情報のキャブレーション(補正))】を行っています。この広域化により、課題であった降雨減衰とブライドバンドが改善されました。
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出所:科学技術動向(2009年2月号) | 観測範囲(東京都下水道局) | 港レーダー(世界貿易センター展望台より) | |||
芝浦水再生センター(東京都下水道局) | 南多摩水再生センター(調査中) | ||||
XバンドMPレーダー(三大都市圏などの豪雨の実況監視):国土交通省 | |||||
【9.5GHz帯レーダー(Xバンドマルチパラメーターレーダー)】
【出所 新横浜出張所だより(2010年10月06 号外 3)】近年、神戸市の都賀川や金沢市の浅野川など、局地的な大雨や集中豪雨による浸水被害が頻発しています。このため国土交通省では、このような水害に対し適切な水防活動や河川管理を行うため、3大都市圏等(関東、北陸、中部、近畿)に11基のXバンドMPレーダーを設置しました。関東地方整備局では、2箇所(さいたま市、横浜市)に設置しているレーダーの降雨観測(試験運用)を開始しています。 Cバンドレーダー(定量観測半径120km)は広域的な降雨観測に適するのに対し、XバンドMP(マルチパラメーター)レーダー(定量観測半径60km)は観測可能エリアは小さいものの局地的な大雨についても詳細かつリアルタイムでの観測が可能です。 XバンドMPレーダーは、雨域が分かりやすく配信時間が早いことが特徴です。国土交通省では、平成22年7月から、このレーダーによる降雨観測情報(WEB画像)の一般配信を行っています。 【出所 科学技術動向 2009年2月号】5.3GHz帯の電波を用いた気象レーダーやレーダ雨量計、あるいは、9.5GHz帯の電波を用いた自治体の下水道施設管理用途のレーダー方式は、基本的に精度確保のため地上雨量計との相関をとる必要があり、10〜15分程度を要します。積乱雲がもたらす降雨は10〜15分という短時間に豪雨となることから検出時間の短縮が求められますが、その解決策としてマルチパラメーターレーダーが研究開発されました。 |
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XバンドMPレーダーの配置(関東) | 「どーレーダー?」(JR横浜線小机駅) | 鶴見川流域センター(見学可能) | 暴れ川(鶴見川)に備えた多目的遊水地 |